サングラスのサイズ表記は、テンプルの内側に刻まれた「52□21-145」のような数字のことです。左からレンズ横幅、ブリッジ幅、テンプル長を示し、単位はすべてミリメートル。この3つ(天地幅が付けば4つ)を読めれば、試着できない通販でも手持ちの一本と数字で比べられます。
ただ、実際にフレームを裏返すと数字が見当たらないことがあります。ブランド名とモデル名だけを刻むフレームは珍しくなく、その場合は定規で測るしかありません。眼鏡の産地・福井県鯖江でサングラスを企画・設計するLeotti(レオッティ)のつくり手視点で、表記の読み方から実測の手順まで順に説明します。2026年8月時点の情報です。
サングラスのサイズ表記「52□21-145」の見方
サングラスのサイズ表記「52□21-145」は、レンズ横幅52mm、ブリッジ幅21mm、テンプル長145mmを意味します。単位はすべてミリメートル。数字の並ぶ順番は決まっていて、この並びは眼鏡もサングラスも共通です。国内外のブランドがほぼ同じ書式を使います。
数字が何を測った値なのかを、位置ごとに整理します。
| 表記の位置 | 名称 | 何を測った値か | 一般的な範囲 |
|---|---|---|---|
| 1つ目(52) | レンズ横幅(玉幅) | レンズ1枚の左右方向の最大幅 | 男性52〜56mm・女性50〜54mm |
| 中央の記号(□) | 測定方式の記号 | □はボクシングシステム | - |
| 2つ目(21) | ブリッジ幅(鼻幅) | 左右のレンズの間隔 | 16〜18mm |
| ハイフン後(145) | テンプル長 | 耳にかけるつるの全長 | 135〜150mm |
| 括弧内(41) | 天地幅 | レンズの縦方向の高さ | 表記されない場合も多い |
レンズ横幅と鼻幅の目安は眼鏡市場のサイズ解説によるものです。同ページは、瞳孔間距離(PD)の日本人平均を男性64mm・女性62mmとしています。
天地幅は括弧で付くことも、付かないこともある
天地幅はレンズの縦の高さで、書式としては末尾に括弧で添えられます。愛眼の解説では「50□16-140(43.1)」のように小数点まで載る例が示されています。一方で、天地幅そのものを表記しないブランドも多くあります。
天地幅が読めると、レンズが頬に当たるかどうかの見当がつきます。眼鏡市場が挙げる目安は、眉からあご先までの長さの3分の1程度。ここが大きすぎると、笑ったときに頬でレンズが押し上げられます。
刻印はテンプルの内側にある
サイズ表記は、左右どちらかのテンプル(つる)の内側に刻まれているのが一般的です。フレームを外して、耳にかかる部分の裏側を明るいところで見てください。ブリッジの裏側に入っている場合もあります。
刻印はごく小さく、黒いフレームだと読み取りにくいことがあります。スマートフォンのカメラで接写して拡大すると読めることが多いので、目視で諦める前に試す価値があります。

□と○で測り方が変わる記号の意味
中央の記号は飾りではなく、どの方式で測ったかを示すしるしです。□はボクシングシステム、○はデータムシステム。同じレンズでも方式が違えば数値がずれるため、他社のフレームと数字を比べるときは記号まで見ておくと確実です。
ボクシングシステムは、レンズの外形を長方形で囲み、その箱の幅を寸法とする測り方です。Oh My Glassesと眼鏡市場はいずれもこれをISOの国際規格として説明しており、現在流通しているフレームのほとんどが□を使っています。
対するデータムシステムは、レンズの上下中央を通る基準線の上で幅を測る旧来の方式です。レンズがいちばん広い位置ではなく中央線で測るため、同じレンズでもボクシングシステムより数値が小さく出ます。Oh My Glassesは、この方式を「今ではほとんど見ない」と位置づけています。
| 方式 | 記号 | 測る位置 | 数値の出方 | 現状 |
|---|---|---|---|---|
| ボクシングシステム | □ | レンズ外形を囲む長方形の幅 | 大きめに出る | ISO規格・主流 |
| データムシステム | ○ | レンズ上下中央の基準線上の幅 | 小さめに出る | 旧方式・現在はまれ |
実務上は「□なら今の標準」と覚えておけば足ります。古い在庫や年代物のフレームを扱うときだけ、○の可能性を頭に置いてください。
ハイフンだけの表記も、スペース区切りの表記もある
サイズ表記の書式はブランドによって揺れます。□を省いてハイフンだけで並べたり、区切りにスペースを使ったりする例が実在します。数字の順番は共通なので、書式が違っても読み方は変わりません。
実際に各社の解説で使われている表記例を並べます。
| 表記例 | 区切り方 | 出どころ |
|---|---|---|
| 52□21-145 | □とハイフン | もっとも一般的な書式 |
| 47□23 144 | □とスペース | 新光堂のフレームサイズ解説 |
| 50□16-140(43.1) | 天地幅を括弧で追記 | 愛眼のサングラス解説 |
| 53□18-140 | □とハイフン | Oh My Glassesのフレームサイズ解説 |
| 56□17-147 | □とハイフン | 眼鏡市場のサイズ解説 |
刻印にはサイズ以外の情報も混ざります。モデル名、カラーコード(col.01 など)、生産国、素材表示。数字を探すときは、これらと混同しやすくなります。3つの数字が一列に並んでいる箇所を探すのが見つけるコツです。
数字の刻印が見つからないフレームもある
すべてのフレームに寸法が刻まれているわけではありません。ブランド名とモデル名だけを刻み、寸法を入れない設計は珍しくありません。刻印を探して見つからないとき、それは見落としではなく、そもそも入っていない可能性があります。
刻印に何を入れるかは、つくり手が決めています。Leottiの場合、テンプルの内側にライオンの紋章と「Leotti Nino」のような金文字を入れ、あわせて寸法も刻んでいます。かけているあいだはほぼ見えない位置。手に取ったときや人に手渡したときに、どのモデルのどのサイズかがその場でわかります。
寸法を入れないブランドを選んだ場合は、商品ページの仕様欄を見るか、次の手順で自分で測ることになります。中古やヴィンテージのフレームでは、刻印が摩耗して読めなくなっている場合もあります。
刻印が読めない時にサイズを実測する3ステップ
刻印が無い、または摩耗して読めないフレームは、定規で測ればボクシングシステムと同じ数字を出せます。必要なのはミリ表示の定規1本です。レンズの湾曲を避けるため、フレームは平らな机に置いて上から見下ろす姿勢で測ります。
- レンズ横幅を測る。レンズ1枚の左右方向でいちばん広い部分を、水平にまっすぐ測ります。眼鏡市場も「もっとも幅広い部分の横幅を直線で計測」と説明しています。含めるのはフレームの縁(リム)の外側まで。これがボクシングシステムの流儀です。
- ブリッジ幅を測る。左右のレンズの内側の縁と縁のあいだを、最短の直線距離で測ります。鼻あての金具は含めません。ここは1〜2mmのずれが掛け位置に効くので、2回測って同じ値になるか確かめます。
- テンプル長を測る。つるを完全に伸ばし、蝶番の中心から耳に当たる先端までを測ります。途中で下に折れ曲がっているタイプは、曲がりに沿って測るため、糸を当ててから定規に写すと正確です。
測り終えたら「レンズ横幅□ブリッジ幅-テンプル長」の順に並べます。これで、刻印のあるフレームと同じ土俵で数字を比べられます。天地幅も知りたい場合は、レンズの縦方向でいちばん高い部分を追加で測ってください。

フロント総幅の計算式は出典によって違う
ここは注意が要る部分。フレーム全体の横幅を数字から求める式は、解説元によって食い違います。顔幅と照合するときに、この差がそのまま誤差になります。どちらの式を使ったかを意識しておいてください。
眼鏡市場は「レンズ幅×2+ブリッジ幅」でフレーム全体幅が割り出せるとしています。一方Oh My Glassesが挙げるのは、同じ目的の式に15mmを足した「(レンズ幅×2)+ブリッジ+15mm」。Leotti Ninoの52□21-145で両方を計算すると、こうなります。
| 計算式 | 出典 | Nino(52□21-145)の場合 |
|---|---|---|
| レンズ幅×2+ブリッジ幅 | 眼鏡市場 | 52×2+21=125mm |
| (レンズ幅×2)+ブリッジ+15mm | Oh My Glasses | 52×2+21+15=140mm |
同じフレームで15mmの開きが出ます。差の理由は、レンズの外側にあるヨロイ(レンズとテンプルをつなぐ張り出し)を勘定に入れるかどうか。前者はレンズとブリッジだけを足しているので、実物より小さい値になります。後者の15mmはヨロイ分の概算にあたりますが、フレームの形状によって張り出しの量は変わるため、どんなモデルにも当てはまる固定値ではありません。
つくり手として正直に言えば、表記の数字だけでフロント総幅を正確に出すことはできません。数字は候補を絞るための道具として使い、最後は正面からの着用写真でフレームの端が顔の輪郭のどこに来るかを見て決めるのが確実です。顔幅そのものの測り方や、顔の大きさ別の合わせ方はサングラスのサイズ選び方で扱っています。
なお眼鏡市場は、レンズ幅とブリッジ幅を足したFPD(フレームPD)を瞳孔間距離と比べ、その差が±2mm以内に収まるのが良いとしています。総幅よりこちらのほうが、数字だけで判断できる指標としては信頼できます。
Leotti各モデルの寸法を表記形式で読む
Leottiの各モデルの寸法を、サイズ表記の書式に直して並べます。同じ52□21-145でも、形状が違えば顔に出る印象は変わります。数字は出発点で、そこにフレームの形が重なると考えてください。
| モデル | 形状 | 表記形式 | レンズ幅 | ブリッジ | テンプル | 天地 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Nino | 太めウェリントン | 52□21-145 (41) | 52 | 21 | 145 | 41 |
| Beppe | 丸みのあるウェリントン | 52□21-145 (42) | 52 | 21 | 145 | 42 |
| Gigi | ブロウライン | 53□17-145 (38) | 53 | 17 | 145 | 38 |
| Pepe | 細メタルのダブルブリッジ | 56□16-140 (40) | 56 | 16 | 140 | 40 |
NinoとBeppeは表記が同じで、違うのは天地幅の1mmだけです。それでもBeppeのほうが横顔まで存在感が続くのは、レンズの丸みとテンプルの太さが効いているからです。数字は同じでも、かけた印象は揃いません。
Gigiはブリッジ幅17mm、天地幅38mmと控えめに取っています。上部にアセテート、下部にメタルを配したブロウライン。レンズの縦を抑えたぶん、端正な見え方になります。Pepeはレンズ幅が最も広い56mmですが、ブリッジ幅は16mmと狭めです。細いメタルのダブルブリッジという構造上、レンズが広くても顔に重さが乗りません。鼻幅が狭めの人はPepe、広めの人はNinoかBeppeが合わせやすい設計になっています。
Leottiのサングラスという選択
Leotti(レオッティ)は、眼鏡の産地・福井県鯖江で企画・設計し、レンズの仕上げと組み立て・検品を鯖江で行うサングラスブランドです。8mm厚のアセテート、鯖江で仕上げるレンズ全種、昔ながらの3点ピン留め。この3つのつくりを軸に、長く使える一本を目指しています。
厚みは増すほど存在感が出る一方で、重さとのバランスが難しくなります。8mmは、存在感と毎日かけられる扱いやすさが両立する厚みとして選んだ数字です。接合部の3点ピンは装飾ではなく、実際にレンズフレームを固定している構造そのもの。レンズはクリア、カラー、調光、偏光をすべて鯖江で仕上げており、色ごとの可視光透過率はレンズガイドにまとめています。
手持ちのフレームの数字を控えたら、アセテートフレームとメタルフレームから近い寸法の候補を絞ってみてください。形状や顔型まで含めた全体像はサングラス メンズ 選び方で確認できます。

サイズ表記を読むための要点
サングラスのサイズ表記は、レンズ横幅・ブリッジ幅・テンプル長の3つを、この順にミリメートルで並べたものです。中央の記号が□ならボクシングシステム、天地幅は括弧で付くことも付かないこともあります。書式はブランドによって揺れますが、数字の順番は共通なので読み方は変わりません。
刻印が見つからないときは、ミリ定規で3か所を測れば同じ土俵に乗せられます。ただしフレーム全体の幅だけは、表記の数字から正確には求められません。まずは手元のサングラスを裏返して、テンプルの内側を見るところから始めてください。