サングラスの形の種類を調べると、5種類と書く記事もあれば10種類と書く記事もあります。名前を覚えたところで、同じウェリントンが丸顔向けとも面長向けとも書かれていて、メンズの1本をどれにするかは決まらない。ここで手が止まった方は多いと思います。
形の名前は、上辺の線、天地(レンズの縦幅)、枠の太さの3つの組み合わせで説明できます。名前ではなくこの3つで見ると、記事ごとに推奨が食い違う理由も、自分の顔に何を足せばいいかも分かります。
Leotti(レオッティ)は、眼鏡の産地である福井県鯖江で企画・設計し、レンズを全種類鯖江で仕上げているサングラスのブランドです。自社4型の実寸と、アイウェア店や通販各社が出している推奨を並べて書いています。
サングラスの形の名前は、数え方で5種類から10種類に分かれる
サングラスの形の名前に決まった数はありません。OWNDAYSは5種類、JINSは8種類、mise-colleは10種類を挙げています。3社すべてに出てくるのは、ウェリントン、ボストン、ラウンド、スクエア、オーバルの5つです。ティアドロップとブロウライン(サーモント)は2社が挙げています。
| 形の名前 | 輪郭 | 別名、代表的なモデル |
|---|---|---|
| ウェリントン | 上辺が直線の逆台形 | レイバン ウェイファーラー |
| ボストン | 上辺がゆるい弧の逆三角形 | — |
| ボスリントン | 上辺はウェリントン、下辺はボストン | 丸みのあるウェリントン |
| ラウンド | 円 | 丸メガネ |
| スクエア | 横長の四角 | — |
| オーバル | 横長の楕円 | — |
| ティアドロップ | 下へ膨らむ涙形、二重のブリッジ | アビエーター、レイバン アビエーター |
| ブロウライン | 上辺だけ太い枠、下側は細いメタル | サーモント、レイバン クラブマスター |
| クラウンパント | 上辺が平らで、下が丸い | — |
| フォックス | 目尻側が上がる | 主に女性向け |
数が合わないのは、同じ形に別の名前が付き、中間の形にも名前が付くからです。ブロウラインとサーモントは同じ形で、ティアドロップとアビエーターもほぼ同じ形を指します。ボスリントンはウェリントンとボストンの中間に付いた名前です。
数え方の違いで迷う必要はありません。表の10通りを覚えるより、次の章の3つの見方を持っておくほうが、売り場で知らない名前に出会ったときにも役に立ちます。
サングラスの形は上辺の線、天地、枠の太さの3つで決まる
サングラスの形の名前は、上辺の線が直線か弧か、天地が深いか浅いか、枠が太いか細いかの3つで説明できます。この記事ではこれを「形の3変数」と呼びます。ウェリントンは上辺が直線で天地が深め、ブロウラインは上辺が直線で上側の枠だけが太い、という具合です。
| 形の名前 | 上辺の線 | 天地 | 枠の太さ |
|---|---|---|---|
| ウェリントン | 直線 | 深め | 太めが多い |
| ボストン | 弧 | 深め | 太いものも細いものもある |
| ラウンド | 弧(円) | 深い | 細めが多い |
| スクエア | 直線 | 浅め | 太いものも細いものもある |
| オーバル | 弧 | 浅め | 細めが多い |
| ティアドロップ | ほぼ直線(二重ブリッジ) | 深い | 細いメタル |
| ブロウライン | 直線 | 浅め | 上側だけ太い |
この表で見てほしいのは、上辺が直線の形と弧の形がほぼ半分ずつに分かれることです。顔に与える印象は、まず上辺の線で決まります。直線は引き締まって見え、弧はやわらかく見える。天地と枠の太さは、その印象の強さを調整する役です。
サイズ表記には3変数のうち天地しか出ない
通販でいちばん困るのは、商品ページのサイズ表記から形が読めないことです。LeottiのNinoとBeppeは、どちらも52□21-145(レンズ幅52mm、ブリッジ21mm、テンプル長145mm)で、違うのは括弧内の天地の41mmと42mmだけです。それでもNinoは角の立ったウェリントン、Beppeは丸みを足したウェリントンに見えます。
表記に入る数字は4つで、3変数のうち数字で読めるのは天地だけです。上辺の線と枠の太さは、正面から撮った写真で確かめてください。表記の読み方はサングラスのサイズ表記の見方に、同じ表記で輪郭だけが違う2本の見分け方はウェリントンとボストンの違いに書いています。
ウェリントンが丸顔向けとも面長向けとも書かれるのは、見ている変数が違うから
同じウェリントンでも、丸顔に勧める記事は上辺の直線と角を、面長に勧める記事は天地の深さを見ています。どちらも間違いではありません。形の名前ひとつに、効き方の違う変数が2つ入っているだけです。
| 掲載元 | ウェリントンを勧めている顔型 | 根拠にしている点 |
|---|---|---|
| ISETAN MEN’S net(イワキメガネ) | 面長 | 縦幅と丸みのあるフレームは顔の縦ラインを強調しない |
| OWNDAYS | 顔の形を選ばない(表では面長が◎) | 記載なし |
| AUEN | 面長 | 記載なし |
| mise-colle | 面長、卵型(本文では丸顔にも) | 記載なし |
| Leotti 丸顔の記事 | 丸顔 | 角のある形が丸みを引き締める |
| Leotti 面長の記事 | 面長 | 天地のある形が縦を分断する |
Leotti自身も、丸顔の記事と面長の記事の両方でウェリントンを勧めています。丸顔の記事では上辺の線を、面長の記事では天地を理由にしていて、同じ名前に別の変数を当てています。
だから「ウェリントンは○○顔向け」と読んだときは、どの変数の話なのかを確かめてください。天地の浅いウェリントンは面長の助けになりませんし、Beppeのように角を落としたウェリントンは丸顔の輪郭をなぞってしまいます。
顔型から選ぶときは、形の名前より足りない変数を1つ足す
顔型に合わせるときは、輪郭に足りない要素を3変数のどれか1つで足します。丸顔は上辺の直線と角、面長は天地の深さ、四角顔とベース型は上辺の弧、逆三角顔は上側の枠を軽くする。形の名前は、その変数を満たしていれば何でも構いません。
| 顔型 | 足す変数 | 当てはまる形の例 | Leottiの候補 |
|---|---|---|---|
| 丸顔 | 上辺を直線に、角を立てる | ウェリントン、スクエア | Nino |
| 面長 | 天地を深く | ウェリントン、ボストン | Nino(41mm)、Beppe(42mm) |
| 四角顔、ベース型 | 上辺を弧に | ボストン、ラウンド、オーバル | Beppe |
| 逆三角顔 | 上側の枠を細く、軽く | 細いメタル、オーバル | Pepe |
| 卵型 | 足さなくてよい | どれでも | 4型すべて |
3つ全部を顔型に合わせようとすると、選べる形がほとんど残りません。1つ足せば、残りの2つは好みで選んで大丈夫です。顔型そのものの見分け方はサングラスが似合う顔に置いています。
自分の顔型がはっきりしないまま、初めての1本を外したくないなら、上辺が直線で天地が深めの形から始めるのが手堅い選び方です。Ninoは上辺がまっすぐで角が立ち、天地41mmは成人男性の顔の縦の長さから出す目安とほぼ同じなので、丸顔に効く変数と面長に効く変数を1本で満たします。黒の太い枠が重く見えないか気になるなら、グレー57%のレンズを合わせると枠とレンズの明るさの差が縮み、輪郭の線だけが残ります。顔型を決めきれないまま選んでも、外れる側の変数が残りにくい1本です。
Nino (ニーノ) ブラック
レンズ グレー、度無し
¥28,600税込
この一本を見るメンズの定番の形は1930年代から1950年代に生まれ、70年以上残っている
いまメンズのサングラスで定番とされる形は、ほとんどが1930年代から1950年代のアメリカで生まれました。ティアドロップの原型は1937年、ブロウラインは1947年、ウェリントン型の代表格であるレイバンのウェイファーラーは1952年の発売です。
| 形 | 生まれた時期 | 起点 |
|---|---|---|
| ボストン | 1930年代 | アメリカ(パリミキ) |
| ティアドロップ | 1937年 | Bausch & Lombがパイロット向けの形を一般に発売。のちのレイバン アビエーター(Aviator sunglasses) |
| ブロウライン | 1947年 | Shuron社が「Ronsir」の名で発売(Browline glasses) |
| ウェリントン | 1950年代 | ウェイファーラーは1952年、Bausch & LombのRaymond Stegemanが設計(Ray-Ban Wayfarer) |
ブロウラインは1950年代、売れた眼鏡の半分を占めたとされています(Browline glasses)。その後いったん廃れ、1980年代にレイバンのクラブマスターとしてサングラスで戻ってきました。
どの形も70年以上残っています。流行で消えなかった形は、上辺の線と天地の組み合わせが人の顔に収まりやすかったと考えています。
レイバンのモデル名を形の名前に置き換える
「レイバン 形 名前」で調べている方のために、モデル名と形の名前の対応を置いておきます。
| レイバンのモデル | 形の名前 |
|---|---|
| ウェイファーラー | ウェリントン |
| アビエーター | ティアドロップ |
| クラブマスター | ブロウライン(サーモント) |
モデル名で覚えている形も、3変数に直せば他のブランドで探せます。ウェイファーラーなら「上辺が直線、天地が深め、枠が太い」です。
8mm厚のアセテートだと、上辺の線が斜めから見ても分かる
枠の太さは、正面から見た幅だけでなく厚みでも効きます。Leottiのアセテートは8mm厚で、正面の輪郭に加えて、斜めから見たときに枠の断面が見えます。上辺を直線で切ったか、角を落としたかが、横に立った人からも分かります。
一般的なサングラスより明確に分厚くつくっているので、同じウェリントンでも枠が顔の上で立体として見えます。成形は機械で行い、磨きと組み上げは鯖江で手をかけています。テンプルの付け根は、昔ながらの3点ピン留めです。
反対に、細いメタルの枠は輪郭が顔に出にくくなります。形を見せたいなら厚いアセテート、形を目立たせたくないなら細いメタル。枠の太さの変数は、この両端のあいだで選ぶものです。
Leottiが作っている形は10種類のうち4つ
Leottiの4型は、ウェリントンのNino、丸みを足したウェリントンのBeppe、ブロウラインのGigi、細いメタルでダブルブリッジのPepeです。ラウンド、ボストン、オーバル、ティアドロップ、クラウンパントは作っていません。
| モデル | 形 | 上辺の線 | 天地 | 枠の太さ | サイズ表記 |
|---|---|---|---|---|---|
| Nino | ウェリントン | 直線、角が立つ | 41mm | 8mm厚アセテート | 52□21-145 (41) |
| Beppe | 丸みのあるウェリントン | 直線、下辺と角が丸い | 42mm | 8mm厚アセテート | 52□21-145 (42) |
| Gigi | ブロウライン | 直線 | 38mm | 上側だけアセテート、下側はメタル | 53□17-145 (38) |
| Pepe | 横長の四角 | 直線 | 40mm | 細いメタル | 56□16-140 (40) |
4型とも上辺は直線です。弧の上辺を持つ純粋なボストンやラウンドを探しているなら、Leottiには該当がありません。いちばん近いのは、下辺と角を落としたBeppeです。
Pepeのダブルブリッジはアビエーターに多い作りですが、レンズは横長の四角で、ティアドロップではありません。天地はGigiの38mmからBeppeの42mmまでで、4型の差は4mmです。形を変えても天地はあまり動かないので、形はほぼ上辺の線と枠の太さで選ぶことになります。
サングラスの形は、名前より上辺の線と天地と枠の太さで選ぶ
形の名前が5種類から10種類に割れるのも、同じ形の推奨が記事ごとに違うのも、名前の中に3つの変数が混ざっているからです。
- サングラスの形は、上辺の線、天地、枠の太さの3つで説明できる
- 3社すべてに出てくる形は、ウェリントン、ボストン、ラウンド、スクエア、オーバルの5つ
- ウェリントンが丸顔にも面長にも勧められるのは、上辺の直線と天地の深さという別の変数が効くから
- 顔型には、足りない変数を1つ足せばよい
- サイズ表記から読めるのは天地だけ。上辺の線と枠の太さは正面の写真で見る
- 定番の形は1937年から1950年代に生まれ、70年以上残っている
- Leottiの4型は上辺がすべて直線で、天地は38mmから42mmに収まる
形をはっきり見せたいならアセテートのNino、形を目立たせたくないなら細いメタルのPepe。分かれるのはこの1点です。
サングラスは顔が強く見えそうで避けてきた、通勤の行き帰りや休日の街で自然にかけたい、という人にはPepeのシルバーが向きます。枠が細いメタルなので、3変数のうち枠の太さがいちばん小さく、輪郭が顔に出にくい。玉幅56mmで大きく見えないかが気になるかもしれませんが、ブリッジが16mmと狭いので、左右のレンズを合わせた幅は128mmで、Ninoとの差は3mmです。グレー74%のレンズは目元が透けるので、サングラスをかけた日でも相手と目を合わせて話せます。
Pepe(ペペ) シルバー
レンズ グレー、度無し
¥12,100税込
この一本を見る