偏光サングラスと調光サングラスの違いは、光の反射を取り除くレンズか、明るさに応じて濃さが変わるレンズかという点にあります。名前は似ていますが、向いている場面はほとんど重なりません。
判断の分かれ目になるのは濃さの数字。偏光レンズは光を15〜17%しか通さない濃さで固定されます。いっぽう調光レンズは、室内で95%、屋外で22%まで動きます。つまり調光は、いちばん濃くなった状態でも偏光より明るい。「調光なら真夏の炎天下でも足りる」と考えて買うと、ここで外します。
以下は、レンズをすべて鯖江産でそろえているLeotti(レオッティ)が扱う9種類のレンズの実測値をもとにした比較。数値と価格は2026年8月時点のものです。
フレームの形やサイズから決めたい場合は、サングラス メンズ 選び方の総合ガイドから読んでください。
偏光と調光の違いは、反射を消すか濃さが変わるか
偏光サングラスと調光サングラスの違いは、偏光が水面や路面ではね返る光を取り除くレンズ、調光が紫外線の量でレンズの濃さが変わるレンズという点です。偏光の濃さは一日中変わりません。調光は明るさに合わせて濃くなったり薄くなったりします。
つまり偏光は「見え方を変えるレンズ」、調光は「濃さを任せるレンズ」です。両方の性質を1枚にまとめたレンズも世の中にはありますが、Leottiでは扱っていません。理由は後半で書きます。
| 偏光レンズ | 調光レンズ | |
|---|---|---|
| 何をするレンズか | 反射光を取り除く | 紫外線の量で濃さが変わる |
| 光を通す割合 | 15〜17%で固定 | 室内95%から屋外22%まで |
| 屋内でのかけ心地 | 暗いので外すことになる | ほぼ透明に戻る |
| 得意な場面 | 運転、釣り、ゴルフ、雪の日 | 屋内と屋外を行き来する日 |
| 苦手な場面 | 屋内、液晶画面を見るとき | 車の運転、真夏の炎天下 |
| Leottiで選べる色 | グレー、ブラウン、グリーン | グレー、ブラウン |
偏光レンズとは 水面や路面の反射を取り除くレンズ
偏光レンズとは、2枚のレンズの間に偏光膜という薄いフィルムを挟み、一方向にそろって返ってくる光だけを遮断するレンズです。水面や濡れた路面、車のボンネットではね返る光がこれにあたります。ただ暗くするのではありません。ギラつきだけを消して、その奥にあるものを見えるようにする働きです。
普通の濃いサングラスとの差は、水辺に立つとはっきりします。色付きレンズは水面全体が均一に暗くなるだけ。いっぽう偏光レンズは水面の白い照り返しだけが消え、水の中まで見えます。釣りで偏光が定番なのは、これが理由です。
Leottiの偏光レンズは、光を通す割合が偏光グレーで15%、偏光ブラウンと偏光グリーンで17%。日中の屋外向けにつくられた濃さで、屋内に入るとかなり暗く感じます。屋内でもかけ続けたい人には向きません。
調光レンズとは 紫外線の量で濃さが変わるレンズ
調光レンズとは、紫外線が当たると色が濃くなり、紫外線が減ると薄く戻るレンズです。レンズに練り込まれた物質が紫外線に反応し、構造を変えることで色がつく仕組み。Leottiの調光グレーと調光ブラウンは、室内で光を95%通すほぼ透明な状態から、屋外で22%まで濃くなります。
1本で眼鏡とサングラスの両方をまかなえるのが調光の強みです。屋内での打ち合わせと屋外の移動が交互に続く日でも、かけ替える必要がありません。
ただし濃くなる条件は紫外線です。ここが調光のいちばんの落とし穴で、紫外線が届かない場所では濃くなりません。曇りの日は思ったより薄いままですし、車の中では色が変わらないことがあります。
数字で見る違い 偏光は15〜17%で固定、調光は95%から22%まで動く
偏光と調光の濃さの差は、光を通す割合を並べるとはっきりします。Leottiが扱う9種類のレンズの実測値が下の表。数字が小さいほど濃いレンズになります。
| レンズ | 光を通す割合 | 種類 |
|---|---|---|
| UVカットクリア | 93% | 通常 |
| 調光グレー・調光ブラウン(室内) | 95% | 調光 |
| ライトブラウン | 85% | 通常 |
| ライトブルー | 79% | 通常 |
| ライトグリーン | 65% | 通常 |
| ライトグレー | 57% | 通常 |
| 調光グレー・調光ブラウン(屋外) | 22% | 調光 |
| 偏光ブラウン | 17% | 偏光 |
| 偏光グリーン | 17% | 偏光 |
| 偏光グレー | 15% | 偏光 |
この表から3つのことが読み取れます。
- 調光はいちばん濃くなっても22%で、偏光の15〜17%より明るい。「調光は濃くなる」という印象がありますが、実際には偏光ほど暗くなりません。真夏の海や雪山のような光量の多い場所では、調光では足りないと感じることがあります。
- 調光の室内95%は、UVカットクリアの93%とほぼ同じ。つまり色が抜けた状態の調光は、透明レンズとほとんど変わりません。室内で不自然に見える心配はほぼありません。
- 通常のカラーレンズは57〜93%の範囲にあり、22%まで濃くはならない。ライトグレーの57%でも、日常の眩しさをやわらげる程度です。強い日差しの下で目を守りたいなら偏光か調光になります。
なお、この数字はアセテートのNino、Beppe、Gigiの値です。メタルフレームのPepeだけ通常カラーが別のレンズになっていて、グレーが74%、ブルーが93%とやや明るめ。偏光と調光の数値は全モデル共通です。全レンズの数値と実物の色はLeottiのレンズガイドにまとめてあります。
グレー・ブラウン・グリーンで何が変わるか
偏光レンズを選ぶときは、色でも見え方が変わります。偏光グレーは15%、偏光ブラウンと偏光グリーンは17%と濃さはほぼ同じですが、役割が違います。
グレーは色を偏らせないので、景色の色がそのまま見えます。服の色や信号の色を正しく見たいなら、最初の一本はグレーが無難。ブラウンは暗いところと明るいところの差をはっきりさせるので、芝の起伏や遠くの輪郭をつかみたいゴルフや運転に向きます。グリーンはその中間で、長くかけていても疲れにくい色です。
調光はグレーとブラウンの2色。屋外で濃くなったときの見え方は、それぞれ偏光の同色と同じ方向です。
運転・釣り・ゴルフ・普段使い どちらが向いているか
車の運転をするなら偏光、屋内と屋外を行き来する日が多いなら調光、という分け方がいちばん外れません。場面ごとに整理します。
| 場面 | 向いているレンズ | 理由 |
|---|---|---|
| 車の運転 | 偏光 | 路面とボンネットの照り返しが消える。調光はフロントガラスに遮られて色が変わらないことがある |
| 釣り | 偏光 | 水面の照り返しが消えて水中が見える |
| ゴルフ | 偏光ブラウン | 芝の起伏と距離感がつかみやすくなる |
| 街歩き・買い物 | 調光 | 店に入るたびに外さずに済む |
| 旅行 | 調光 | 移動と屋外観光が混ざる日に1本で足りる |
| 自転車・ランニング | 調光 | 走っている間の日差しの変化に自動で追従する |
| 真夏の海・雪山 | 偏光 | 22%では明るすぎる場面。15〜17%の濃さが要る |
普段使いをひとことで決めるのは難しいところです。日中ずっと屋外にいる人なら偏光、屋内での時間が半分以上ある人なら調光。迷ったら、この1週間で自分がどちらに近かったかで決めてください。
偏光と調光それぞれの弱点
偏光の弱点は液晶画面と屋内、調光の弱点は車と気温です。買ってから気づくと戻せない部分なので、先に書いておきます。
偏光レンズは、光の向きをそろえて表示している液晶画面と相性がよくありません。カーナビやスマートフォンの画面が、角度によって暗くなったり虹色のムラが出たり。運転中にナビを見る機会が多い人は、店頭で自分のスマートフォンをかけたまま確かめておくと安心です。屋内では15〜17%の濃さがそのまま残るので、室内に入るたびに外すことになります。
調光レンズの注意点は3つ。色が変わるまでにも戻るまでにも少し時間がかかること、気温が高いと色が濃くなりにくいこと、そして車のフロントガラス越しでは色が変わりにくいことです。3つ目は多くの車のガラスが紫外線を遮るためで、運転用として調光を選ぶと期待どおりに働かないことがあります。
Leottiが偏光と調光を1枚にまとめたレンズを扱っていないのも、この弱点があるからです。両方の性質を持たせると、室内でも色が抜けきらず、偏光としての濃さも中途半端になりがち。どちらの用途で使いたいかがはっきりしているなら、専用のレンズを選んだほうが満足できます。
偏光・調光を選ぶと価格はどれくらい上がるか
偏光レンズと調光レンズは、同じフレームの通常カラーより2,800円から5,500円高くなります。偏光と調光のあいだに価格差はなく、どちらを選んでも同額。各モデルの実際の価格が下の表です(すべて税込・2026年8月時点)。
| モデル | 通常カラー | 偏光・調光 | 差額 |
|---|---|---|---|
| Nino | 28,600円 | 34,100円 | +5,500円 |
| Beppe | 28,600円 | 31,400円 | +2,800円 |
| Gigi | 33,000円 | 38,500円 | +5,500円 |
| Pepe | 12,100円 | 17,600円 | +5,500円 |
偏光は膜を挟み込む工程が増え、調光は反応する物質を練り込む必要があります。通常のカラーレンズより手間がかかる分、価格に反映されます。
差額の使いどころで考えると、判断はしやすくなります。屋外にいる時間が長く、眩しさそのものを減らしたいなら偏光。かけ替える手間をなくしたいなら調光。どちらもピンとこないなら、まずは通常のカラーレンズで一本持っておくのも手です。
鯖江でつくるLeottiの偏光レンズと調光レンズ
Leottiは、クリアからカラー、調光、偏光まで、レンズをすべて鯖江産でそろえています。フレームの企画と設計、そして磨き・組み上げ・検品も鯖江。眼鏡の産地でレンズまで一貫して選べるのが、Leottiの立ち位置です。
アセテートの型には8mm厚の生地を使い、接合部は昔ながらの3点ピン留め。接着剤やビスで留めるのではなく、金属のピンが実際に構造を支えています。長く使う前提のつくりなので、レンズにも同じ考え方を通しています。
型ごとに、かけたときの印象は変わります。サイズの実寸と、選べるレンズは次のとおりです。
| モデル | 型 | サイズ表記 | 選べる偏光 | 選べる調光 |
|---|---|---|---|---|
| Nino | 太めのウェリントン | 52□21-145(41) | グレー、グリーン、ブラウン | グレー、ブラウン |
| Beppe | 丸みのあるウェリントン | 52□21-145(42) | グレー、グリーン、ブラウン | グレー、ブラウン |
| Gigi | ブロウライン | 53□17-145(38) | グレー、グリーン | グレー |
| Pepe | 細メタルのダブルブリッジ | 56□16-140(40) | グレー、グリーン | グレー |
サイズ表記の読み方や、自分の顔幅に合う数字の見つけ方はサングラスのサイズ選び方で詳しく書いています。顔の形から絞りたいときはサングラスが似合う顔の見つけ方を参照してください。
在庫のあるレンズの組み合わせは全モデル一覧から確認できます。9種類のレンズを実物の色と数値で見比べたい場合はレンズガイドへ。
選ぶ前に確かめたい数字
偏光サングラスと調光サングラスで迷ったら、次の数字を思い出してください。
- 偏光は15〜17%で固定。一日中同じ濃さで、屋内では外すことになります
- 調光は室内95%、屋外22%。透明から濃いサングラスまで1本でまかなえますが、偏光ほどは暗くなりません
- 通常カラーは57〜93%。日常の眩しさをやわらげる範囲で、強い日差しには足りません
- 差額は2,800円から5,500円。偏光と調光は同額です
そのうえで、車の運転が多いなら偏光、屋内と屋外を行き来するなら調光。この2つで大半は決まります。数字の意味がわかっていれば、店頭でもオンラインでも自分で判断できます。