偏光サングラスをメンズが選ぶとき、レンズが濃いかどうかは判断材料になりません。反射を消す力と、まぶしさを抑える力は、まったく別の数字で決まるからです。
反射を消す力は偏光度、まぶしさを抑える力は可視光線透過率。売り場でこの2つが混ざったまま「濃いほうが効きそう」と選ぶと、ギラつきは残ったまま視界だけが暗い一本になります。
Leotti(レオッティ)は偏光レンズを3色扱っていて、光を通す割合は偏光グレーが15%、偏光ブラウンと偏光グリーンが17%です。レンズはすべて鯖江産で、透過率は自社のレンズガイドに公開しています。以下はその実測値をもとに、偏光サングラスで何を見ればいいかを整理したものです。
偏光サングラスとは反射光だけを取り除くレンズのこと

偏光サングラスとは、2枚のレンズのあいだに偏光膜という薄いフィルムを挟み、一方向にそろって返ってくる光だけを遮断するサングラスです。水面、濡れた路面、車のボンネット、ガラス面ではね返る光がこれにあたります。全体を暗くするのではなく、ギラつきだけを抜いて、その奥にあるものを見えるようにします。
ふつうの色つきレンズは、届く光を色で一律に減らします。だから反射も景色も同じ割合で暗くなり、ギラつきの構造は残ったままです。偏光膜は光の向きで選り分けるので、濃さを上げなくても反射だけが消えます。
ここが選び方の分かれ目になります。濃いレンズを買っても反射は消えない。偏光レンズを買っても、濃さが足りなければまぶしさは残る。必要なのがどちらなのかを先に決めてください。
| ふつうの色つきレンズ | 偏光レンズ | |
|---|---|---|
| 何を減らすか | 届く光の量を色で一律に減らす | 一方向にそろった反射光だけを取り除く |
| 水面や路面のギラつき | 弱くなるが構造は残る | 消える |
| 濃さとの関係 | 濃いほどまぶしさが減る | 濃さとは別の性能 |
| 屋内での見え方 | 濃さ次第 | 濃い製品が多く、外すことになる |
| 液晶画面 | 変わらない | 角度によって暗くなる |
メンズが偏光サングラスで確かめる3つの数字
偏光サングラスを買う前に見る数字は3つあります。偏光度、可視光線透過率、紫外線透過率です。この3つは連動しません。
- 偏光度。反射をどれだけ取り除くかの割合です。家庭用品品質表示法にもとづく消費者庁の定めでは、品名に「偏光サングラス」を使えるのは偏光度90%以上のものだけ。つまり品名表示そのものが下限の保証になります
- 可視光線透過率。目に見える光をどれだけ通すかの割合です。数字が小さいほど濃い。Leottiの偏光レンズは15%から17%で、通常カラーのライトグレー57%と比べるとかなり濃い側にあります
- 紫外線透過率。目に見えない紫外線をどれだけ通すかの割合です。「UVカット率99%以上」は紫外線透過率1%以下と同じ意味で、書き方が違うだけ。紫外線を防ぐ力はレンズの濃さとも偏光度とも無関係です
同じ告示は許容差も決めていて、可視光線透過率は表示値の±7以内、紫外線透過率は表示値の±10%以内。15%と17%を1%刻みで比べる意味はありません。
[画像挿入位置:偏光レンズを通して水面を見たときと、裸眼で見たときの比較]
偏光レンズの色はグレー、ブラウン、グリーンで見え方が変わる
偏光レンズの色は、反射を消す力ではなく、消したあとの景色の見え方を決めます。偏光度が同じなら、どの色を選んでもギラつきの取れ方は変わりません。変わるのは色の再現と輪郭の出方です。
グレーは景色の色をそのまま残して明るさだけを落とします。運転で信号や標識の色を変えたくないときに向きます。ブラウンは青い光を弱めるので、遠近やでこぼこの輪郭が立ちます。芝生や地面の起伏を読みたい場面で効きます。グリーンはその中間で、色の自然さと輪郭の見やすさの折り合いをつけた色です。
| 色 | Leottiの透過率 | 見え方 | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 偏光グレー | 15% | 景色の色が変わらない | 日中の運転、水辺 |
| 偏光ブラウン | 17% | コントラストが上がり遠近が出る | 起伏を読みたい屋外 |
| 偏光グリーン | 17% | 自然な色合いと輪郭の両立 | 釣り、ゴルフ、晴れた日 |
透過率の差は2%で、許容差の範囲に収まります。色で濃さが変わると考える必要はありません。選ぶ基準は、景色の色を保ちたいか、輪郭を立てたいかのどちらかです。
偏光サングラスのデメリットは液晶画面と屋内での暗さ
偏光サングラスの弱点は2つあります。液晶画面が角度によって暗く見えることと、屋内では濃すぎて外すことになることです。
液晶画面の中には、もともと偏光フィルターが組み込まれています。そこへ偏光レンズを重ねると、2枚のフィルターの向きが合わないときに光が通らなくなる。スマートフォンを横向きにすると急に暗くなったり、車のデジタルメーターやカーナビが読みにくくなるのはこれが理由です。レンズを傾ければ戻りますが、運転中に首を傾けて確かめるわけにはいきません。
もうひとつ、熱を加えて強くした強化ガラスを偏光レンズ越しに見ると、まだら模様のようなひずみが浮かぶことがあります。車の側面や後方のガラス、建物のガラスで起きます。壊れているわけではなく、ガラスの内部にできた応力の分布が見えているだけです。
そして濃さ。Leottiの偏光レンズは15%から17%で、屋内に入るとほとんど何も見えません。ここは調光レンズと決定的に違うところで、偏光サングラスと調光サングラスの違いにそれぞれの数値を並べています。
Leottiの偏光レンズはフレームの色ごとに選べる色が分かれている
Leottiでは、フレームの色によって選べる偏光レンズが決まっています。好きな組み合わせを自由に作れるわけではありません。2026年9月時点の在庫状況は次のとおりです。
| フレーム | 選べる偏光レンズ | 価格(税込) |
|---|---|---|
| Nino ブラック | 偏光グレー、偏光グリーン | 34,100円 |
| Nino デミ | 偏光ブラウン、偏光グリーン | 34,100円 |
| Beppe ブラック | 偏光グレー、偏光グリーン | 34,100円 |
| Beppe デミ | 偏光ブラウン、偏光グリーン | 34,100円 |
| Gigi ブラック | 偏光グレー、偏光グリーン | 38,500円 |
| Pepe シルバー、ガンメタル | 偏光グレー、偏光グリーン | 17,600円 |
読み取れることが2つあります。ひとつは、偏光ブラウンを選べるのはデミ(べっこう柄)のフレームだけだということ。輪郭を立てたい人は、フレームの色から決まります。もうひとつは、偏光グリーンだけが全モデルにあること。迷ったときの共通解になります。
価格は通常カラーに対して全モデル一律で5,500円上がります。Nino・Beppeは28,600円が34,100円、Gigiは33,000円が38,500円、Pepeは12,100円が17,600円。偏光と調光のあいだに価格差はありません。
各色の透過率と実物の写真はレンズガイドにまとめてあります。
度付きにできるのはクリアとカラーレンズ

Leottiで度数を入れられるのは、現在のところUVカットクリアと通常のカラーレンズです。クリアは11,000円の追加で納期が約10日、カラーは13,200円の追加で約14日。どちらも屈折率1.67でUVカットとマルチコートが付きます。
偏光レンズと調光レンズは、いまのところ度付きの取り扱いがありません。偏光と調光は度付きレンズそのものの価格が大きく上がるため、扱いを検討している段階です。
普段からメガネを使っている人が偏光サングラスを検討する場合、いまのLeottiでとれる手は2つあります。コンタクトレンズと組み合わせるか、度付きにできる通常のカラーレンズで濃さだけ確保するか。後者ならライトグレー57%が日中の明るさを十分に落とします。反射そのものを消したい事情があるなら、取り扱いが始まるのを待つ判断もあります。
偏光サングラスを選ぶ4つの手順
- 消したい反射があるかを確かめる。 水面、濡れた路面、ボンネット、芝生の照り返し。心当たりがなければ、偏光でなく通常のカラーレンズで足ります。濃さだけの問題なら5,500円の差額は要りません
- 品名表示で偏光度90%以上を確認する。 「偏光サングラス」という品名を使えるのは偏光度90%以上のものだけです。表示がない製品は、偏光膜が入っていない色つきレンズの可能性があります
- かける時間帯から可視光線透過率を絞る。 15%から17%は日中専用です。夕方以降も外さずにいたいなら偏光は向きません
- 景色の色を保ちたいか、輪郭を立てたいかで色を決める。 前者はグレー、後者はブラウン。迷えばグリーン
この順で進めると、色から選んで後悔する事故が起きません。フレームの形やサイズから決めたい場合はメンズのサングラスの選び方に全体の流れを書いています。
鯖江でつくるLeottiの偏光レンズ
Leottiはレンズを全種類、鯖江でつくっています。クリアもカラーも偏光も調光も同じです。フレームに予算をかけてレンズは安く済ませるやり方をとらなかったのは、かけている時間のほとんどを決めているのがレンズだからです。
偏光レンズは、8mm厚のアセテートフレームと組み合わせたときに重さが出ます。Nino・Beppeは52□21-145、Gigiは53□17-145、Pepeは56□16-140。重さが気になるなら、細メタルのPepeが最も軽く、価格も17,600円と抑えられます。アセテートの存在感を優先するならNinoかBeppeです。
接合部にある3つの金属ピンは、装飾ではなく実際に部品を留めている構造です。長くかける一本として選ぶなら、レンズと同じくらいこの部分を見てください。
偏光サングラスを買う前に確かめる数字
- 偏光度は90%以上か(品名に「偏光サングラス」とあれば満たしている)
- 可視光線透過率は何%か(Leottiは15%から17%で日中専用)
- 紫外線透過率、またはUVカット率の表示があるか
- 度付きの取り扱いがあるか(Leottiの偏光レンズは現在のところ取り扱いなし)
- そのフレームの色でその偏光色を選べるか(偏光ブラウンはデミのみ)