サングラスをかけると窮屈で、外したあとにこめかみへ跡が残る。鏡を見ると、かえって顔の大きさが目立つ気がする。顔が大きいメンズのサングラス選びでつまずくところは、たいていレンズの大きさではありません。フレーム全体の横幅、つまり総幅が顔幅に届いているかどうかで決まります。レンズ幅を1〜2mm広げたところで、フレームの端が輪郭より内側に収まっているかぎり窮屈さは消えません。
眼鏡の産地・福井県鯖江でサングラスを企画・設計するLeotti(レオッティ)が、自社4型の実測値をもとに、顔幅の測り方と総幅の見方をまとめます。数値は2026年8月時点のものです。
顔が大きいメンズにサングラスが似合わないのは総幅が足りていないから
顔が大きいメンズにサングラスが似合わない原因の多くは、フレームの総幅が顔幅に足りていないことです。総幅は左右のヨロイ(レンズの外側でテンプルとつながる部分)の外端を結んだ幅で、レンズ1枚分の横幅であるレンズ幅とは別の数字です。
総幅が顔幅より明らかに狭いと、テンプルがこめかみを内側へ押し、フレームの端が顔の輪郭の内側に浮きます。輪郭とフレームのあいだに余白ができるので、その余白の分だけ顔が横に広く見えます。「大きいサングラスをかけると小顔に見える」という言い方が広まっていますが、効いているのはレンズの面積ではなく、フレームの端がどこに来るかです。
サングラスの寸法にはいくつかの数字があり、顔の大きさに直接効くものとそうでないものが分かれます。
| 数字 | 何を指すか | 顔の大きさへの効き方 |
|---|---|---|
| レンズ幅(玉幅) | レンズ1枚の横方向の最大幅 | 間接的。見た目の面積を決める |
| ブリッジ幅 | 左右のレンズの間隔 | 掛け位置と、寄り目や離れ目の見え方 |
| 総幅(フロント幅) | フレーム左右の外端どうしの幅 | 直接効く。顔幅との差が窮屈さになる |
| テンプル長 | つるの全長 | 耳より後ろの収まり。こめかみの圧迫とは別 |
| レンズ縦(天地幅) | レンズの縦方向の高さ | 顔の縦の長さと頬のあたりに効く |
サイズ表記の読み方そのものはサングラスのサイズ選び方でまとめています。ここから先は、顔が大きい人が引っかかる部分だけを扱います。

顔が大きいという悩みは横幅、縦の長さ、輪郭の厚みに分かれる
「顔が大きい」という悩みは、横幅が広い、縦に長い、輪郭に厚みがあるの3つに分かれます。どれに当たるかで、合わせる数字が総幅・レンズ縦のどちらかに変わります。同じ「大きい」でも打ち手は同じになりません。
自分がどれなのかは、鏡の前で正面と横顔を見ればおおよそ判断できます。頬骨やこめかみが張っていて正面から見た輪郭が四角く見えるなら横幅型、あごまでの距離が長く感じるなら縦長型、頬に丸みがあってフェイスラインがふっくらしているなら厚み型です。ふたつが重なる人もいます。
| 大きさの出方 | 見るべき数字 | 合わせ方 |
|---|---|---|
| 横幅が広い | 総幅、テンプルの張り出し | 総幅を顔幅と同じか、ごくわずかに内側に |
| 縦に長い | レンズ縦(天地幅) | レンズ縦を大きめにして顔の余白を減らす |
| 輪郭に厚みがある | レンズ縦、フレーム下端の位置 | 下端が頬にあたらない範囲で縦を確保する |
横幅型の人が縦の大きいフレームを選んでも窮屈さは残りますし、縦長型の人が総幅だけ広いフレームを選ぶと、顔の余白がそのまま残ります。縦に長いタイプの詳しい合わせ方は面長のメンズに似合うサングラス、輪郭が四角く出るタイプは四角顔・ベース型メンズのサングラスで扱っています。
顔幅の測り方と、合う総幅の求め方
顔幅は、左右のこめかみのいちばん外に出ている部分の距離をmmで測ります。メジャーを顔に沿わせると輪郭の丸みを拾って実際より長く出るので、直線距離で測るのがポイントです。手順は3つです。
- 厚紙か下敷きを2枚用意する。鏡の前でまっすぐ前を向き、2枚をそれぞれ左右のこめかみに、床と垂直になるように軽く当てます。強く押し当てると数mm縮むので、触れる程度で止めます。
- 2枚の間隔を定規で測る。この数字が顔幅です。骨格の差が出るところなので、どこかで見た平均値ではなく、測った自分の数字を使います。
- 総幅が顔幅と同じか、数mm内側に収まるフレームを選ぶ。総幅が顔幅を超えると、フレームの端が輪郭の外へはみ出して見えます。逆に10mm以上内側だと、こめかみが押されます。
かけたあとの確認は、正面から鏡を見て黒目の位置をチェックします。黒目がレンズの中央か、中央よりわずかに内側にあれば合っています。黒目が外側に寄っているなら、そのフレームは顔に対して小さすぎます。

サイズ表記の52□21-145から総幅は計算できない
テンプル内側に刻まれた「52□21-145」のような表記から、総幅を計算で出すことはできません。この表記はレンズ幅52mm、ブリッジ幅21mm、テンプル長145mmを表しますが、総幅にはこれに加えてヨロイとリムの張り出しが左右に乗るためです。
ただし、レンズ幅×2+ブリッジ幅を計算すると、左右レンズの外端どうしの距離が出ます。総幅はこの数字より必ず広くなるので、下限として使えます。Leottiの4型で計算すると次のとおりです。
| モデル | サイズ表記 | レンズ幅×2+ブリッジ幅 |
|---|---|---|
| Nino | 52□21-145 | 125mm |
| Beppe | 52□21-145 | 125mm |
| Gigi | 53□17-145 | 123mm |
| Pepe | 56□16-140 | 128mm |
ここで注意したいのは、Gigiのレンズ幅は53mmとNinoより1mm広いのに、計算値は2mm小さいという点です。ブリッジ幅が21mmと17mmで4mm違うからです。レンズ幅の大小だけを見て「こちらのほうが大きい」と判断すると、顔に当てたときの幅を読み違えます。
総幅の実数を知りたいときは、商品ページのサイズ表に総幅やフロント幅の行があるかを確認し、記載がなければ販売元に問い合わせるのが確実です。手持ちのサングラスなら、平置きにして左右のヨロイの外端を定規で測れば自分で確認できます。この数字を控えておくと、次に買うときの物差しになります。
大きいフレームを選べば解決するとは限らない
顔が大きいからといって、総幅の広いフレームを選べば必ず似合うわけではありません。総幅が顔幅を超えると、フレームの端が輪郭の外側にはみ出し、顔の横幅が実際より広く見えます。狭すぎるのと反対方向の失敗です。
もうひとつ起きやすいのが、特大サイズのフレームでレンズ縦まで一緒に大きくなる問題です。横幅を求めて選んだ結果、レンズの下端が頬に乗り、笑うとフレームが押し上げられます。まつげがレンズの内側に当たることもあります。横幅と縦は別々に見て、必要な方だけを大きくするのが失敗しないやり方です。
顔が大きい人向けとして売られているフレームには、レンズ幅60〜62mm、テンプル長160mm前後という寸法の製品があります。標準的なメンズフレームでこめかみが当たる人には有効な選択肢です。ただし「顔が大きい人向け」という表示は、どの程度の顔幅を想定しているのかまでは教えてくれません。測った顔幅と、フレームの総幅を突き合わせて判断してください。
こめかみが痛いときに見るのはテンプル長ではない
こめかみが痛い、外したあとに跡が残るという症状で見るべきなのは、テンプル長ではなく総幅とヨロイの張り出しです。テンプル長は耳の位置から先の長さを決める数字で、こめかみへの圧力はフロント側の幅で決まります。テンプルの長いモデルに替えても、フロントが狭ければ圧迫は変わりません。
対処は3つあります。
- 総幅の広いフレームに替える。根本的な解決はこれです。手持ちのフレームの総幅を測り、それより広いものを探します。
- テンプルの開き角を調整してもらう。アセテートのフレームは加熱して、メタルのフレームはヨロイ部分を曲げて、開き具合を数mm単位で調整できます。購入した店か、調整を受け付けている眼鏡店に相談します。
- フロントに柔軟性のある構造を選ぶ。金属パーツで接合されたフレームは、接着だけのものより接合部が動きにくく、調整の効き方が変わります。
Leottiの接合部には昔ながらの3点ピン留めを使っています。見えている3本の金属ピンはデザインではなく、実際にフロントとテンプルの部材を固定している構造です。接着剤と通常のビスで工程を減らしたつくりに比べると接合が保たれやすく、開き角を調整したあとの状態も安定します。

顔が大きいメンズに向くフレームの形とレンズの濃さ
顔が大きいメンズには、フレームのラインがはっきり出る形が向きます。輪郭のなかにもうひとつ明確な線が入ることで、視線がフレームに集まるからです。逆に細く色の薄いフレームは、顔の面積に対して線が弱く、輪郭だけが目立ちます。
形ごとの傾向は次のとおりです。
- 太めのウェリントン。上辺が直線的で横に伸びるため、横幅のある輪郭となじみます。顔が大きい人がいちばん外しにくい形です。
- ブロウライン(サーモント)。上部だけが太く、下側が細いか縁なしの形です。視線が眉の高さに集まるので、顔の下半分の面積が気になる人に向きます。
- 細いメタル。顔に面積を足さずに幅だけを出せます。フレームの存在感は控えめになるので、サングラスを主張させたくない人向けです。
- 丸みの強いボストンやラウンド。輪郭の丸みと重なるため、頬に厚みがあるタイプでは大きさが強調されることがあります。
レンズの濃さも見え方に関わります。濃いレンズは目元が隠れてフレームの内側が締まり、薄いレンズは目元が透けるぶん圧が出ません。Leottiが公開しているレンズガイドには、全レンズの光を通す割合(可視光線透過率)を実数で載せています。数字が小さいほど濃いレンズです。
| レンズ | 光を通す割合 |
|---|---|
| UVカットクリア | 93% |
| 調光グレー・調光ブラウン(室内) | 95% |
| ライトブラウン | 85% |
| ライトブルー | 79% |
| ライトグリーン | 65% |
| ライトグレー | 57% |
| 調光グレー・調光ブラウン(屋外) | 22% |
| 偏光ブラウン・偏光グリーン | 17% |
| 偏光グレー | 15% |
数字を見ると、濃さの差は思っているより大きく開きます。調光レンズは屋外でも22%までしか濃くならず、偏光の15〜17%には届きません。「調光にすれば十分濃くなる」と考えていると、想像とずれます。偏光と調光の違いは偏光サングラスと調光サングラスの違いで扱っています。
Leottiの4型を実寸で見る
Leottiの4型の実測値は次のとおりです。数字は平置き実測のおおよその値(単位mm)で、個体差により多少前後します。
| モデル | 形 | レンズ幅 | ブリッジ | テンプル長 | レンズ縦 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Nino | 太めウェリントン | 52 | 21 | 145 | 40 | ¥28,600 |
| Beppe | 丸みのあるウェリントン | 52 | 21 | 145 | 41 | ¥28,600 |
| Gigi | ブロウライン | 53 | 17 | 145 | 38 | ¥33,000 |
| Pepe | 細メタルのダブルブリッジ | 56 | 16 | 140 | 40 | ¥12,100 |
顔が大きい人という観点で見ると、レンズ幅がいちばん広いのはPepeの56mmです。細いメタルなので顔に面積を足さずに幅を稼げます。ブリッジ幅は16mmと狭いので、鼻幅が広い人にはNinoかBeppeの21mmのほうが掛け位置が合います。
正直に書いておくと、Leottiの4型はいずれもレンズ幅52〜56mmで、顔が大きい人向けとして売られている60〜62mm級の特大サイズではありません。標準的なメンズフレームをかけてもこめかみが強く当たる人には、フロントが足りない可能性があります。市販品で少し窮屈さを感じる程度なら、Pepeの56mmやNinoの太めのラインで収まる範囲に入ります。手持ちの一本を測って、上の数字と並べてみてください。
フレームは8mm厚のアセテートを機械成形し、鯖江で磨いて面と艶を整えています。厚みは増すほど存在感が出る一方で重さとのバランスが難しくなるため、8mmは存在感と毎日かけられる扱いやすさの両方が成り立つ厚みです。顔の面積が大きい人ほど、フレームの厚みは効きます。細いフレームでは輪郭に負けるからです。

Leottiのサングラスという選択
Leotti(レオッティ)は、眼鏡の産地・福井県鯖江で企画・設計し、レンズの仕上げと組み立て・検品を鯖江で行うサングラスブランドです。8mm厚のアセテート、鯖江で仕上げるクリア・カラー・調光・偏光の全レンズ、昔ながらの3点ピン留めの3つを軸につくっています。
顔幅を測った数字を手元に置いて、アセテートフレームとメタルフレームの各商品ページのサイズ表と見比べてみてください。全モデルは商品一覧から見られます。顔型との相性まで含めた全体像はサングラス メンズ 選び方にまとめています。
顔が大きい人のサングラス選びの要点
- 顔に対する収まりを決めるのはレンズ幅ではなく総幅で、総幅は左右のヨロイの外端どうしの幅
- 「顔が大きい」は横幅が広い、縦に長い、輪郭に厚みがあるの3つに分かれ、合わせる数字が変わる
- 顔幅はこめかみの外端どうしを直線距離でmm測り、総幅が顔幅と同じかごくわずかに内側のものを選ぶ
- サイズ表記から総幅は計算できない。レンズ幅×2+ブリッジ幅は下限として使える
- 総幅が顔幅を超えると顔が横に広く見えるため、大きければいいわけではない
- こめかみの痛みはテンプル長ではなく総幅とヨロイの張り出しが原因になりやすい
- Leottiのレンズ幅は52〜56mmで、Pepeの56mmが最も広い。60mm級の特大サイズではない