偏光レンズのデメリットは7つあります。液晶画面が向きによって暗くなる、車のガラスに虹色のまだらが見える、凍った路面や前の車のガラスのきらめきまで消える、暗い場所では暗すぎる、価格が上がる、度付きにできない場合がある、熱と湿気で傷む、の7つです。
このうち4つは、水面や路面の照り返しを止めるという偏光の仕組みそのものから来ています。照り返しだけを都合よく選んで消すことはできないので、液晶の光も、知らせてほしい反射も、同じように止めてしまう。消費者庁は家庭用品品質表示法の規程で、偏光サングラスにだけ「熱強化したガラスを通すとひずみの干渉色が見えることがある」という注意書きを義務づけています。
Leotti(レオッティ)の偏光レンズは、偏光グレーが15%、偏光ブラウンと偏光グリーンが17%で、どれも晴れた日中に合わせた濃さです。日が傾いてからの運転や、凍った道には向きません。
偏光レンズのデメリットは7つ、半分は照り返しを止める仕組みから来る
偏光レンズのデメリットは、見え方で困る4つと、買い方・持ち方で困る3つに分かれます。 見え方の4つは、特定の向きの光を止めるという偏光の仕組みと、レンズの濃さから来ています。買い方・持ち方の3つは、レンズの中に偏光膜をはさむつくりから来ています。
| デメリット | 困る場面 | 避け方 |
|---|---|---|
| 液晶画面が暗くなる | スマホを横にしたとき、カーナビ、液晶メーター、ヘッドアップディスプレイ | 買う前に、自分の車の画面を縦と横で確かめる |
| 車のガラスに虹色のまだらが見える | 前の車のリアガラス、自分の車のサイドガラス | 故障ではないと知っておく。気になるなら偏光以外にする |
| 凍った路面や他の車のきらめきまで消える | 冬の朝の道路、雪山、交差点 | 路面が凍る季節の運転では使わない |
| 暗い場所では暗すぎる | トンネル、夕方、日陰、屋内 | 日が傾いたら外す。夜は75%以上のレンズにかけ替える |
| 価格が上がる | 同じフレームのカラーレンズと比べたとき | Leottiでは全フレームで5,500円の上乗せ |
| 度付きにできない場合がある | 普段から眼鏡をかけている人 | Leottiでは度付きのカラーレンズを選ぶ |
| 熱と湿気で傷む | 夏の車内に置く、濡れたままケースにしまう | 車に置かない。乾かしてからしまう |
7つが誰にでも同じように効くわけではありません。夕方以降に運転しない人には暗さの問題はほとんど出ませんし、雪の降らない地域なら凍った路面の心配もありません。
液晶画面は向きによって暗くなり、スマホは横にすると消えることがある
偏光レンズ越しに液晶画面を見ると、画面の向きによって暗くなったり、真っ黒になったりします。 偏光レンズの専業メーカーのタレックスは、よくある質問で「偏光レンズと液晶画面には相性があり、角度によっては暗く見えたり虹色に見える場合があります」と答えています。
液晶画面は、もともと決まった向きの光だけを出しています。偏光レンズも決まった向きの光だけを通します。2つの向きが直角に交わると、画面の光はレンズを通れません。縦向きでは普通に見えていたスマホが、横にした途端に暗くなるのはこのためです。
困るのは、スマホよりも車です。カーナビ、液晶のスピードメーター、給油機の画面、銀行のATMも同じことが起きます。フロントガラスに速度を映すヘッドアップディスプレイは、タレックスによると、ガラスの反射で映しているので、反射を止める偏光レンズでは見えなくなることがあります。
確かめ方は簡単です。偏光レンズを試着できる店で、自分のスマホを縦、横、斜めにしてレンズ越しに見る。車の画面は、運転席に座ったときの角度で見てください。仕組みの図は偏光サングラスで運転できる時間帯に載せています。
車のガラスに出る虹色のまだらは、消費者庁が偏光にだけ注意書きを求めている
偏光レンズで車のリアガラスやサイドガラスを見ると、虹色のまだら模様が浮かぶことがあります。 熱で強くした強化ガラスの内側に残ったひずみが、偏光レンズを通すと色の模様として見える現象です。ガラスもレンズも壊れていません。
消費者庁の雑貨工業品品質表示規程は、サングラスのうち偏光サングラスにだけ、取扱い上の注意として「自動車のフロントガラス等熱強化したガラスを通して使用するとガラスのひずみの干渉色が見えることがある旨」を表示するよう定めています。売る側に注意書きを義務づけるほど、よく起きることだということです。
同じ規程は、「偏光サングラス」と名乗れる条件も決めています。
| 規程の項目 | 決められている内容 |
|---|---|
| 偏光サングラスと表示できる条件 | 偏光度90%以上、かつ偏光軸のずれ15度以下 |
| 偏光サングラスだけに求められる注意書き | 熱強化したガラス越しにひずみの干渉色が見えることがある |
| 可視光線透過率の表示 | 数値を表示する。許容範囲は±7 |
偏光度は、決まった向きの光をどれだけ止められるかを表す数字です。90%に届かないものは「偏光」と書けません。まだら模様が気になるかどうかは人によりますが、前の車のリアガラスに模様が出たときに、自分のレンズの不良と思い込まないように覚えておいてください。
凍った路面や、ほかの車のガラスのきらめきまで消える
偏光レンズは、消したい照り返しと、見えていてほしい反射を区別できません。 水面のギラつきが消えるのと同じ仕組みで、凍った路面のてかりや、前を走る車のガラスのきらめきも弱まります。
フランスのサングラスメーカーのJulbo(ジュルボ)は、偏光レンズの欠点として、雪の斜面で凍った箇所やこぶ、地形の細かな変化が見えにくくなること、ほかの車のフロントガラスの反射が消えて距離をつかみにくくなり、ほかの道路利用者に気づきにくくなることを挙げています。
もっとはっきり書いているのが、米国連邦航空局(FAA)のパイロット向けの資料です。偏光レンズは航空の場では勧められない、としています。理由は3つで、防眩フィルターを使った計器が見えにくくなること、操縦席の風防の重ね合わせたガラスの筋が強く見えること、ほかの機体の翼や風防に光るきらめきが隠れて、目で見て避けるまでの反応が遅れることです。
道路でも同じことが言えます。冬の朝、日陰のカーブだけ路面がてかっている。それが見えにくくなるのは、偏光を運転に使ういちばん大きな代償です。路面が凍る季節の運転には偏光を使わないでください。
Leottiの偏光は15〜17%、トンネルや夕方には暗すぎる
Leottiの偏光レンズは、偏光グレーが可視光線透過率15%、偏光ブラウンと偏光グリーンが17%です。 届く光の6分の1から7分の1しか目に入らない濃さなので、晴れた日中にはちょうどよく、トンネル、夕方、日陰、屋内では暗すぎます。
暗さの原因は、偏光膜よりもレンズに入れた色の濃さです。偏光膜は照り返しを止め、色は全体の明るさを決める。この2つは別々に効いています。Leottiのレンズには、もっと明るいライトブラウン85%やクリア93%もありますが、偏光ではないので照り返しは止まりません。
運転では、JIS T 7333:2018が可視光線透過率75%未満のレンズを薄暮と夜間の運転に使わないよう定めています。Leottiの偏光15〜17%は、日が傾いた時点で使えなくなる側です。冬の東京では15時半ごろが外す目安になる計算は、偏光サングラスで運転できる時間帯に書きました。
屋内では、濃いレンズで階段を下りるのがいちばん危うい場面です。建物に入ったら外す。これを面倒と感じるなら、室内で色が抜ける調光レンズが候補になります。違いは偏光サングラスと調光サングラスの違いにまとめています。
偏光は通常のカラーより高く、Leottiでは全フレームで5,500円上がる
Leottiでは、同じフレームで通常のカラーレンズから偏光レンズに替えると、価格が5,500円上がります。 NinoからPepeまで全7商品で同じ額で、フレームの価格には左右されません。
| フレーム | 通常のカラーレンズ(税込) | 偏光レンズ(税込) |
|---|---|---|
| Pepe シルバー、ガンメタル | 12,100円 | 17,600円 |
| Nino、Beppe | 28,600円 | 34,100円 |
| Gigi ブラック | 33,000円 | 38,500円 |
調光レンズも同じ5,500円の上乗せです。偏光と調光のどちらを選んでも追加の額は変わらないので、価格で偏光と調光を比べる必要はありません。比べるのは、照り返しを止めたいのか、屋内外で濃さが変わってほしいのか、の1点です。
価格は動くことがあるので、買う前に商品ページで確かめてください。
Leottiの偏光は度付きにできない
Leottiでは、偏光レンズに度を入れられません。 度付きにできるのは、クリア93%とライトカラー(グレー、ブルー、ブラウン、グリーン)の5色だけで、偏光と調光には度付きの取り扱いがありません。
普段から眼鏡をかけている人が日差しの強い日に偏光を使うなら、眼鏡の上からかけるオーバーグラスか、度付きの偏光を扱う眼鏡店で作ることになります。Leottiで選ぶなら、度付きのライトカラーで照り返しはあきらめ、まぶしさを和らげる形です。度付きの色ごとの透過率と価格は度付きサングラスのメンズの選び方にまとめています。
炎天下の車内と濡れたままのケースが偏光レンズを傷める
偏光レンズの性能そのものは、使い方を守れば長く持ちます。 タレックスは、偏光性能と紫外線カットの性能は「半永久的に持続します」と答えたうえで、長時間の直射日光、炎天下の車内への長時間の放置、雨の日に使ったあと乾かさずにケースへしまうことを、レンズ表面や素材の劣化の原因に挙げています。
いちばんやりがちなのは、車のダッシュボードに置きっぱなしにすることです。真夏のダッシュボードの温度は偏光サングラスのゴルフ用の選び方に数字を載せています。車を離れるときはケースに入れて持ち出すか、日の当たらない座席の下に置いてください。
濡れたときは、真水で流してから柔らかい布で水気を押さえ、乾いてからケースにしまいます。海で使った日の手入れは釣り用の偏光サングラスの選び方に書きました。GigiとPepeは鼻パッドの腕が金属、NinoとBeppeは3つの金属ピンで留めているので、継ぎ目に水が残らないようにします。
偏光を選ばないほうがいい人は5つの質問でわかる
次の5つの質問のうち、1つでも「はい」があれば、偏光の前に別のレンズを考えてください。 どれも「いいえ」なら、偏光のデメリットはあなたの使い方ではほとんど表に出ません。
- 夕方以降や夜も、かけたまま運転したいか。 はいなら、可視光線透過率75%以上のレンズ。Leottiならクリア93%、ブルー79%(Nino、Beppe、Gigi)、ブラウン85%、Pepeのブルー93%
- 車のメーターやカーナビが液晶で、ヘッドアップディスプレイも使っているか。 はいなら、試着で画面が見えるか確かめてから。見えなければ偏光以外
- 路面が凍る地域で、冬の朝に運転するか。 はいなら、その季節だけ偏光以外にかけ替える
- 普段から眼鏡をかけていて、度付きのまま1本で済ませたいか。 はいなら、Leottiでは度付きのライトカラー
- 屋内と屋外を何度も行き来し、外したくないか。 はいなら、室内で色が抜ける調光レンズ
5つとも「いいえ」なのは、晴れた日の昼に海辺を歩く、日中だけ運転する、ゴルフや釣りに出る、といった使い方の人です。偏光はこの範囲で、水面や路面のギラつきを止めることにだけ力を使えます。偏光レンズ全体の選び方は偏光サングラスのメンズの選び方に書いています。
晴れた日の昼、海沿いの道を走って、着いた先の砂浜や港を歩く。そういう週末が多いなら、Nino ブラックの偏光グレーです。15%は日中の照り返しに合った濃さで、グレーは景色の色を変えないので、信号の色もそのまま見えます。スマホの地図が気になるなら、縦向きのまま見れば暗くなりにくく、暗いと感じたら少し傾ければ戻ります。日が傾いたら外して胸ポケットに掛ける、と決めておけば、デメリットはほとんど出番がありません。
Nino (ニーノ) ブラック
レンズ 偏光グレー、度無し
¥34,100税込
この一本を見るLeottiの偏光レンズは鯖江のコンベックス製
Leottiのレンズは、偏光も含めて全種類が鯖江のコンベックス製です。偏光の見え方を決めるのは、レンズにはさむ偏光膜と、その外側の色の濃さです。だからフレームより先に、レンズのつくり手を選びました。工程はLeottiのレンズで紹介しています。
フレームの接合部の3つの金属ピンは、飾りではなく実際に部品を留めている構造です。偏光は使い方を選ぶレンズなので、外して胸元に掛けたり、ケースに出し入れしたりする回数が増えます。その動作に何年も耐える留め方を選んでいます。レンズの色と透過率の一覧はレンズガイドにあります。
偏光レンズは日中の照り返しを消す道具と割り切れば、デメリットの多くは避けられる
偏光レンズのデメリットは7つありますが、液晶、ガラスの模様、凍った路面、暗さの4つは、日が高いあいだに、凍っていない道や水辺で使う限りほとんど出てきません。Leottiの偏光15〜17%は日中用で、日が傾いたら外し、車には置かない。これで残るのは、5,500円の上乗せと、度付きにできないことの2つです。
眼鏡を毎日かけていて、液晶メーターの車で通勤もする人なら、偏光ではなく Gigi ブラックの度付きグレーです。グレーは偏光ではないので、メーターやカーナビの画面の向きを気にせずに済み、ガラスに模様も出ません。透過率57%なので日中用で、夕方以降の運転は眼鏡にかけ替えます。眉の部分がアセテート、レンズの縁がメタルのつくりは、仕事の席でもかけたまま話せる形です。昼に外へ出るたび、眼鏡の上から合わないサングラスを重ねる必要がなくなります。
Gigi(ジジ) ブラック
レンズ グレー、度付き
¥46,200税込
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