偏光サングラスを運転で使えるのは、日が出ているあいだだけです。路面の照り返しやボンネットの反射が消えるので、昼のドライブでは効きます。ただし日が落ちたら外すことになる。
理由は濃さにあります。日本産業規格 JIS T 7333:2018 は、光を通す割合が75%未満のレンズを「薄暮又は夜間における路上及び運転に使用してはならない」と定めています。Leotti(レオッティ)の偏光レンズは15%から17%。この線をはるかに下回ります。
レンズはすべて鯖江産で、透過率は自社のレンズガイドに公開しています。以下は実測値を規格に当てはめて、運転のどの場面で使えてどこで使えないかを整理したものです。
偏光サングラスの運転は昼だけ、夜は規格の外になる

偏光レンズが運転で働くのは、路面や対向車のボンネット、濡れたアスファルトではね返る光を取り除くからです。全体を暗くするのではなく、ギラつきの構造そのものを消します。前方の白線や路面の状態が読みやすくなるのはこのためです。
一方で、偏光レンズはたいてい濃くつくられます。反射を抑える設計上、色が濃くなりやすい。その濃さが夜には邪魔になります。
サングラスをかけて運転することそのものを禁じる法律はありません。ただし標識や信号が正しく見えていない状態で運転すれば、安全運転義務の問題になります。そして「正しく見える濃さ」の線は、法律ではなく規格が引いています。
運転で使えるレンズの濃さはJIS T7333:2018で決まっている
JIS T 7333:2018(アイウェア-サングラス及びファッション用グラス)は、運転に関する条件を3つ置いています。8%、75%、そして信号の見分けやすさです。
| 条項 | 内容 |
|---|---|
| 6.3.3 | 昼間の運転に使うには、視感透過率が8%を超えていること |
| 6.3.4 | 視感透過率75%未満のレンズは、薄暮または夜間の路上および運転に使用してはならない |
| 6.3.5 | 信号を見分けるための相対視感減衰係数の下限(赤0.8、黄0.6、緑0.6、青0.4) |
6.3.5は聞き慣れない項目ですが、意味は単純です。色つきレンズを通しても信号の赤・黄・緑・青がそれぞれ十分な明るさで届くことを求めています。赤がいちばん厳しく0.8。色つきレンズをかけて信号が判別できなくなる事態を防ぐための条件です。
つまり、日中に使えるかどうかの下限が8%、夜も使えるかどうかの境目が75%。この2つの数字だけで、運転用のレンズは選び分けられます。
Leottiの偏光レンズ15%から17%が使えるのは日中だけ
Leottiの偏光レンズを規格に当てはめると、3色とも日中の運転には使えて、薄暮と夜間には使えません。
| レンズ | 光を通す割合 | 昼間の運転 | 薄暮・夜間の運転 |
|---|---|---|---|
| 偏光グレー | 15% | 使える | 使えない |
| 偏光ブラウン | 17% | 使える | 使えない |
| 偏光グリーン | 17% | 使える | 使えない |
昼のドライブで色を選ぶなら、基準は反射の消え方ではなく景色の見え方です。グレーは信号や標識の色をそのまま残すので、色を変えたくないならこちら。ブラウンは青い光を弱めるので、路面標示や遠近の輪郭が立ちます。グリーンはその中間です。
ここでひとつ注意があります。Leottiでは偏光ブラウンを選べるのがデミ(べっこう柄)のフレームだけです。ブラック系のフレームでは偏光グレーか偏光グリーンになります。運転用に色から決める人は、フレームの色も一緒に決まると考えてください。
| フレーム | 選べる偏光レンズ | 価格(税込) |
|---|---|---|
| Nino ブラック、Beppe ブラック | 偏光グレー、偏光グリーン | 34,100円 |
| Nino デミ、Beppe デミ | 偏光ブラウン、偏光グリーン | 34,100円 |
| Gigi ブラック | 偏光グレー、偏光グリーン | 38,500円 |
| Pepe シルバー、ガンメタル | 偏光グレー、偏光グリーン | 17,600円 |
数値と実物の写真はレンズガイドにまとめてあります。
夜も外さずにいたいなら透過率75%以上のレンズを選ぶ
夕方以降も外さずに運転したいなら、偏光ではなく透過率75%以上のレンズになります。Leottiのラインナップでこの線を越えるのは3つです。
| レンズ | 光を通す割合 | 薄暮・夜間 |
|---|---|---|
| UVカットクリア | 93% | 使える |
| ライトブルー(Pepe) | 93% | 使える |
| ライトブラウン | 85% | 使える |
| ライトブルー(Nino・Beppe・Gigi) | 79% | 使える |
| ライトグレー(Pepe) | 74% | 使えない |
| ライトグリーン | 65% | 使えない |
| ライトグレー(Nino・Beppe・Gigi) | 57% | 使えない |
Pepeのライトグレー74%は、75%の線を1ポイント下回ります。同じ「ライトグレー」でも、アセテートの3型は57%、メタルのPepeは74%と別のレンズです。色名だけで判断すると読み違えます。
なお可視光線透過率には許容差があり、消費者庁の定めでは表示値の±7以内。74%と表示されたレンズが実際に75%を超えている可能性は残ります。ただし表示値で判断するのが筋なので、夜も使う前提なら79%以上を選んだほうが確実です。
薄い色のレンズをどう選ぶかは薄い色のサングラスが自然に見える透過率に色ごとの違いを書いています。
偏光レンズで運転すると液晶メーターとカーナビが暗くなる

偏光サングラスを運転で使うときの実害はここです。デジタルメーターやカーナビの画面が、角度によって暗く見えます。
液晶画面には、もともと偏光フィルターが組み込まれています。そこへ偏光レンズを重ねると、2枚のフィルターの向きが合わないときに光が通りません。首を傾けたり画面の角度を変えれば戻りますが、走行中に確かめるわけにはいかない。メーターがフルデジタルの車では、買う前に実際にかけて確認してください。
もうひとつ、フロントガラスや側面のガラス越しに、まだら模様のようなひずみが浮かぶことがあります。熱を加えて強くしたガラスを偏光レンズ越しに見ると、内部の応力の分布が見えるためです。ガラスが壊れているわけではありませんが、視界としては気になります。
これらは偏光レンズの構造から来る現象なので、製品を選び直しても消えません。運転が主目的で液晶メーターの車に乗っているなら、偏光ではなく濃さだけのカラーレンズという判断もあります。
調光レンズは車内で色が変わらないので運転用にならない
運転用に調光レンズを選ぶのはおすすめできません。多くの車のフロントガラスは紫外線を抑える加工がされていて、運転席では色がほとんど変わらないからです。
東海光学の検証では、2022年9月上旬の午前9時ごろ、晴天、車内の気温は約22度という条件で「レンズの色が変わっていません」と報告されています(東海光学)。Leottiが扱っているのは紫外線に反応する一般的な調光レンズなので、同じことが起きます。
くわしくは調光サングラスの普段使いに1日の流れで書いています。偏光と調光の違いそのものは偏光サングラスと調光サングラスの違いにまとめました。
運転用の偏光サングラスを選ぶ4つの手順
- かける時間帯を決める。 昼だけなら偏光レンズ。夕方以降も外さずにいたいなら透過率75%以上のカラーレンズかクリアになります
- 可視光線透過率の表示を見る。 昼間の運転に使えるのは8%超。この数字は商品ページか値札に必ず書かれています
- 液晶メーターの車なら、かけて画面を見る。 角度によって暗くなるかどうかは車と製品の組み合わせで変わります。買う前に確かめてください
- 色を決める。 信号や標識の色をそのままにしたいならグレー、路面標示や遠近を読みたいならブラウン。迷えばグリーン
1本ですべての時間帯をまかなうことはできません。昼の反射を消したいなら偏光、夜も外したくないならクリア。この2つは両立しないので、どちらを主にするかを先に決めるほうが早いです。
Leottiで日中の運転に向く一本
運転中は視野をふさがないほうがいいので、フレームの太さと形が効いてきます。Leottiの4型を運転という条件で見ると次のようになります。
| モデル | サイズ表記 | 天地 | 運転での性格 |
|---|---|---|---|
| Pepe シルバー、ガンメタル | 56□16-140 | 40mm | 細メタルでリムが視界に入りにくい。鼻当ての高さを調整できる |
| Gigi ブラック | 53□17-145 | 38mm | 天地が最も狭く、下方向の視界が開ける |
| Nino ブラック、デミ | 52□21-145 | 41mm | 8mm厚アセテートで存在感が出る分、リムは太い |
| Beppe ブラック、デミ | 52□21-145 | 42mm | 丸みがあり天地は最も広い |
細いフレームで視界を邪魔したくないならPepe、太いアセテートの見た目を優先するならNinoかBeppeです。テンプル(つる)の太さはミラーを見るときの死角に効くので、横を向いて確認する動作が多い人はPepeかGigiが扱いやすくなります。
サイズの読み方はサングラスのサイズ表記の見方に書いています。
鯖江でつくるLeottiの偏光レンズ
Leottiはレンズを全種類、鯖江でつくっています。クリアもカラーも偏光も調光も同じです。フレームに予算をかけてレンズを安く済ませるやり方をとらなかったのは、かけている時間のほとんどを決めているのがレンズだからです。
運転用の一本を選ぶなら、レンズを交換しても使い続けられる作りかどうかも見てください。接合部にある3つの金属ピンは装飾ではなく、実際に部品を留めている構造です。
運転用のサングラスで確かめる数字
- 可視光線透過率は何%か(昼は8%超、夜も使うなら75%以上)
- 偏光度の表示があるか(品名に「偏光サングラス」とあれば90%以上)
- 液晶メーターとカーナビが暗くならないか(実際にかけて確認する)
- 信号の色が正しく見えるか(JIS 6.3.5の条件を満たす製品を選ぶ)
- 天地幅とテンプルの太さが視界をふさがないか